ご挨拶 GREETING
都民を水害から守るための荒川が通水して100年、 その節目に東京強靱化世界会議が開催されるに当たりましてご挨拶を申し上げます。東京では地震を始め大規模な風水害、火山の噴火、新たな感染症の流行などが、いつ起きてもおかしくありません。これらが複合的に発生する最悪の事態も想定されます。また最新のIPCCの報告書では風水害の引き金となる気温上昇の切迫性 も改めて示されました。災害が起きても都民の命と暮らしを守り壊滅的な被害を何としても防がなければなりません。
昨年12月東京都は豪雨対策や地震対策などで新たな取り組みを追加しまして東京強靭化プロジェクトをアップグレードいたしました。2040年代までに総事業費17兆円を投資しまして取り組みの加速してまいります。これまで環状7号線の地下などに雨を一旦貯める地下調節池を整備してまいりました。これを将来的には海までつなぎまして「地下河川」を作る計画を進めています。また万が一堤防が壊れても避難先となる高台や避難経路を確保するなどセーフティネットを何重にも構築してまいります。
一方で水害を激甚化させている大きな要因、それは気候変動です。東京都は脱炭素社会に向けまして2030年カーボンハーフ、2050年ゼロエミッション東京の実現、これを目指しております。気候危機の回避とエネルギーの安定確保を両立させるために政策を総動員して取り組んでまいります。100年先も都民が安心できる首都東京を築き上げるには国や区市町村企業や研究機関など多様な主体との連携、協働が欠かせません。増大し続ける危機に対しまして「備えよ常に」という精神で対策を重ねていきましょう。この会議が有意義な議論の場となることを期待いたしております。
東京都知事