論文集 事前防災“持続力と回復力” Collection of papers:Sustainability and Resilience

洪水常襲地域に見られる災害文化としての言い伝え・災害伝承に関する調査研究 洪水常襲地域に見られる災害文化としての言い伝え・災害伝承に関する調査研究

著者: 飯塚 智哉・畔柳 昭雄・菅原遼 / 所属: 日本大学
出典:公益社団法人 日本都市計画学会 都市計画論文集Vol.53 No.2 2018年10月 Journal of the City Planning Institute of Japan,Vol.53 No.2,October,2018

 

洪水や浸水などの水害に常に襲われる地域以外に想定外と揶揄される地域が全国各地で頻発しており、国はその対策を講じてきている。しかし、治水整備の発展により行政と住民の双方で危機意識の希薄化が進行し、被害が拡大していると指摘されてきている。その一方で、地域に根付く「言い伝え」「災害伝承」が大規模災害時に効果を発揮し得る対策として再認識されつつある。本研究では、古来からの洪水常襲地域に根付く言い伝え・災害伝承に着目して関連資料から、各々地域特性や語句の構成要素を分析しその特徴を捉えた。結果、①全国の洪水常襲地域においては洪水発生前の状況に関する言い伝え・災害伝承が語られ、そこでは平常時の洪水対策に重点が置かれた語句が見られた。②埼玉県に注視すると、言い伝え・災害伝承において地域特性との関連性が見られ、海抜の低い河川流域と台地の上では、言い伝え・災害伝承についての語句に大きな違いのあることを見出した。

洪水や浸水などの水害に常に襲われる地域以外に想定外と揶揄される地域が全国各地で頻発しており、国はその対策を講じてきている。しかし、治水整備の発展により行政と住民の双方で危機意識の希薄化が進行し、被害が拡大していると指摘されてきている。その一方で、地域に根付く「言い伝え」「災害伝承」が大規模災害時に効果を発揮し得る対策として再認識されつつある。本研究では、古来からの洪水常襲地域に根付く言い伝え・災害伝承に着目して関連資料から、各々地域特性や語句の構成要素を分析しその特徴を捉えた。結果、①全国の洪水常襲地域においては洪水発生前の状況に関する言い伝え・災害伝承が語られ、そこでは平常時の洪水対策に重点が置かれた語句が見られた。②埼玉県に注視すると、言い伝え・災害伝承において地域特性との関連性が見られ、海抜の低い河川流域と台地の上では、言い伝え・災害伝承についての語句に大きな違いのあることを見出した。

 

 

戻る