論文集 事前防災“持続力と回復力” Collection of papers:Sustainability and Resilience

地下空間への浸水シミュレーション技術の適用とその検証 地下空間への浸水シミュレーション技術の適用とその検証

著者: 榎 木 康 太 野 畑 有 秀 / 所属: 株式会社 大林組
出典:大林組技術研究所報 No.84 2020

 

水害に対して脆弱性のある地下空間においては,避難安全性の確保や重要設備の保全が重要である。このような検討の際には,地下空間への浸水過程を事前に把握することが有用であるため,数値流体力学に基づく予測技術の開発を行った。まず,階段入口から地下空間に流入する非定常流れを対象とした水理実験を対象に,浸水過程のシミュレーションの精度検証を行い,非線形性の高い水理学的な現象や浸水の経時的な変化が概ね再現されていることを確認した。次に,本技術の実案件適用を想定し,エレベータシャフトに代表される地下空間の鉛直開口の有無による浸水状況の違いについて検討した。鉛直開口を通じ,上階から下階への水の移動が促進されることを確認し,地上部だけでなく,地下各階をつなぐ開口部に対しても適切な浸水対策を検討することがより効果的であることを示した。本技術は,複雑な形状を有する地下空間における浸水対策の検討やその定量的な評価に貢献するものと期待される。

水害に対して脆弱性のある地下空間においては,避難安全性の確保や重要設備の保全が重要である。このような検討の際には,地下空間への浸水過程を事前に把握することが有用であるため,数値流体力学に基づく予測技術の開発を行った。まず,階段入口から地下空間に流入する非定常流れを対象とした水理実験を対象に,浸水過程のシミュレーションの精度検証を行い,非線形性の高い水理学的な現象や浸水の経時的な変化が概ね再現されていることを確認した。次に,本技術の実案件適用を想定し,エレベータシャフトに代表される地下空間の鉛直開口の有無による浸水状況の違いについて検討した。鉛直開口を通じ,上階から下階への水の移動が促進されることを確認し,地上部だけでなく,地下各階をつなぐ開口部に対しても適切な浸水対策を検討することがより効果的であることを示した。本技術は,複雑な形状を有する地下空間における浸水対策の検討やその定量的な評価に貢献するものと期待される。

 

 

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