論文集 事前防災“持続力と回復力” Collection of papers:Sustainability and Resilience

荒川流域における水屋・水塚を備えた屋敷の立地状況とその空間変容に関する研究 荒川流域における水屋・水塚を備えた屋敷の立地状況とその空間変容に関する研究

著者: 青木秀史・畔柳昭雄 / 所属: 日本大学
出典:日本建築学会計画系論文集 第80巻 第710号,851-861,2015年4月 J.Archit.Plann.,AIJ,Vol.80 No.710,851-861,Apr.,2015

 

本研究では、荒川流域の熊谷市から東京都北区までの13市区町村において水屋・水塚を備えた屋敷の存在を確認した。これらは流域内に広範囲に分布しており、特に旧河道に形成された自然堤防上に位置していた。敷地の配置により、水屋・水塚以外にも屋敷林や構堀などの伝統的な取組みが見られた。また、敷地内の家屋等建築物は機能的に配置され段差や地盤を設けることで洪水対応が図れていた。ただ、近年の河川改修事業実施により、屋敷内の建物構成に変化があり、水屋・水塚の減少・消滅や屋敷林の減少、構堀の閉鎖が見られた。さらに、現存する水屋・水塚では避難場所や食糧保存庫としての機能は消滅してきていた。こうしたことの主な要因は、住民の生活様式の変化など「内部環境」と、河川改修工事など「外部環境」の変化の影響に大別でき、それぞれが起因してい生じていることを捉えた。

本研究では、荒川流域の熊谷市から東京都北区までの13市区町村において水屋・水塚を備えた屋敷の存在を確認した。これらは流域内に広範囲に分布しており、特に旧河道に形成された自然堤防上に位置していた。敷地の配置により、水屋・水塚以外にも屋敷林や構堀などの伝統的な取組みが見られた。また、敷地内の家屋等建築物は機能的に配置され段差や地盤を設けることで洪水対応が図れていた。ただ、近年の河川改修事業実施により、屋敷内の建物構成に変化があり、水屋・水塚の減少・消滅や屋敷林の減少、構堀の閉鎖が見られた。さらに、現存する水屋・水塚では避難場所や食糧保存庫としての機能は消滅してきていた。こうしたことの主な要因は、住民の生活様式の変化など「内部環境」と、河川改修工事など「外部環境」の変化の影響に大別でき、それぞれが起因してい生じていることを捉えた。

 

 

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