論文集 事前防災“持続力と回復力” Collection of papers:Sustainability and Resilience

市街地における火山灰の降灰への建物影響の数値計算 市街地における火山灰の降灰への建物影響の数値計算

著者: 大 塚 清 敏 諏 訪 仁 野 畑 有 秀 / 所属: 株式会社 大林組
出典:大林組技術研究所報 No. 87 2023

 

火山から遠隔(遠位領域)に位置する市街地の中での建物による降灰分布への影響を,火山灰粒子の慣性力を考慮した降灰の数値計算によって調べた。遠位領域に到達可能性のある粒径(62.5, 125, 250, 500, 1000, 2000μm)に対し,風のある条件下で単純形状の単体建物周りの降灰計算を行った。その結果,降灰強度や火山灰空間濃度の分布に対する風速や粒径への大きな依存性が示された。火山灰粒子の慣性力は,通常広域の降灰予測では考慮されないが,本研究の数値計算は,それを考慮したことで現れる効果によって特徴づけられる。さらに,低層~中層の建物が密集するモデル街区に対する降灰計算を行った。計算結果には,建物で乱された気流による降灰分布の不均一性,その粒径や風速による顕著な違いが認められ,局所的には広域分布として与えられる降灰量の1.5倍を超える降灰量となる可能性が示された。ここで得られた結果は,降灰に対する被害軽減策検討のための基礎としての活用が期待される。

火山から遠隔(遠位領域)に位置する市街地の中での建物による降灰分布への影響を,火山灰粒子の慣性力を考慮した降灰の数値計算によって調べた。遠位領域に到達可能性のある粒径(62.5, 125, 250, 500, 1000, 2000μm)に対し,風のある条件下で単純形状の単体建物周りの降灰計算を行った。その結果,降灰強度や火山灰空間濃度の分布に対する風速や粒径への大きな依存性が示された。火山灰粒子の慣性力は,通常広域の降灰予測では考慮されないが,本研究の数値計算は,それを考慮したことで現れる効果によって特徴づけられる。さらに,低層~中層の建物が密集するモデル街区に対する降灰計算を行った。計算結果には,建物で乱された気流による降灰分布の不均一性,その粒径や風速による顕著な違いが認められ,局所的には広域分布として与えられる降灰量の1.5倍を超える降灰量となる可能性が示された。ここで得られた結果は,降灰に対する被害軽減策検討のための基礎としての活用が期待される。

 

 

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